感想:オペラ座の怪人
「ファントム〜!!!」
という言葉で全てを表してしまう作品。
つまり、ヒーローより悪役がメイン。
というかカッコエエ。
ヒロインのオネェちゃんは、実は芸術家的な
「才能が高まるなら悪魔に魂を売ってもいい」
タイプであるのにもかかわらず、
人並みにカッコイイオニーさんと恋をしてしまったから起こった悲劇。
恋人役のオニーちゃんはファントムを「狂人になってしまった天才」と言うが、
そのファントムを狂わせてしまったのはオネーちゃんである。
元々孤独の塊のファントムがオネェちゃんに振り回されてしまって、
最後の理性の糸を切られてしまうのです。
そう考えると、ファントムが滅茶苦茶可愛そうになってくるのだから不思議である。
クライマックスに醜い姿をさらすファントムが平気などころかそれすらも
「可哀想」
と涙する理由になってしまうのだからスゲーッ
映像的には【ムーランルージュ】みたいな感じ。
ただ、こっちのほうが元々ストーリーがしっかりしているので見ごたえあり。
……でも何か物足りないんだよなぁ。
ファントム良し!、なんだけどねぇ。
多分、この作品は映画では俳優のリアル間が足りないんだと思う。
息遣いとか、音が空気に響く感じとかもっと感じたいんだな、きっと。
映画を見てると「これ、舞台だともっとスゲーんだろな!」と思ってしまった。
「機会があったら舞台を見よう」と決意させてくれる作品でした。
映画よりも舞台向きな作品なので、
「1,500円!」
これくらいなら出しても満足すると思います。
(でも下手な作品よりずっと出来はいいです。さすが力作!)