GUNDAM SEED SAGA LINKAGE prologue

  

GUNDAM SEED SAGA LINKAGE prologue

  
 男はドアをそっと閉めた。暗い部屋の中、ベットの上に人影が横たわっている。男が近寄ってみると、愛しい人が涙の跡をつけながら、寝息を立てていた。男は妻の頬にそっと指をそえる。よほど疲れたのか、身じろぎすらしない。
 今日も怒らせてしまった。先ほどの言い争いを思い浮かべながら、溜息を付く。妻の指摘は正しい。だが、男をこれほどまでに駆り立てる理由は他にある。だがそれを言うわけにはいかない。……知られる訳にはいかないのだ。
 そのとき妻が小さなクシャミをした。男は布団をかけなおしてやると、ふと妻の体を見た。また腹部が大きくなっている。そこにそっと手を当てる。そのとき、微かに手に振動が伝わってきた。確かにそこに宿る命。男は微笑みながら、小さく『彼女』に呟いた。
「……大丈夫だよ。きっと君に兄弟をあげるから」
  
  
[to be continue...]